理念経営STEP1ースタッフへの理念浸透ー
私は開院当初より、「実践型全人的医療」「地域医療」「チーム医療」の3つを大切に診療しておりました。
しかし、ある時スタッフに患者さんの為を思って提案した内容が、仕事量が増えるという理由で理解されなかった事で、私が考えていた法人理念は自分1人だけが考えているものであり、法人全体に共有されていないことに気付かされたのです。
スタッフ同士が揉めている内容も患者さんとは関係ない内容であったり、退職理由も待遇面の話であったりと、スタッフのやりがいという点からも、理念が伝わっていなかったことを思い知らされました。
そしてどうすれば法人理念を浸透させていけるだろうと考えた時に辿り着いたのが理念経営でした。
理念経営はその名の通り、理念を大切にし、組織に浸透させ、スタッフみんなが一丸となってその理念を達成させることを目標に仕事に励む方法です。
私たちは、定期ミーティングで頻繁に理念の話とその重要性を伝えました。理念は抽象的な概念なので、具体的にどのような行動を取れば良いのかという指標を作る必要がありました。そこで、他人事ではなく、自分事とするために、スタッフにどうすれば理念を達成できるのかを問いかけ、スタッフ自身に行動目標を作ってもらいました。そして、その行動をどれくらい実践できたか、実践して、どのように状況が変わっていったかを報告してもらい、皆で共有しました。さらには新しく雇い入れるスタッフにも理念について説明し、それに共感していただける人材を集めました。そうする事で、スタッフ全員が同じ目標に向かって歩む事が出来、スタッフも自分たちが何をしなければならないかが明確になりました。すると、自然と、もっとこうした方が良いんじゃないかと新しい案をスタッフから頂戴する事が増え、従来のトップダウン方式の業務のあり方から自発性が生まれ、組織全体が変わっていくきっかけとなりました。スタッフが揉めた時も、どちらの意見が理念に合っているか、どうすれば理念に沿った内容に出来るかと理念を仕事の軸として考える事ができるようになり、離職率が減り、そして新しいスタッフも理念に共感して応募される事が増えてきました。このように理念経営は組織を根本から変えていく方法であると感じました。
そして理念経営にはさらに医院を発展させる事が出来るのです。
理念経営STEP2ー患者さんへの理念浸透ー
スタッフみんなが理念を共有するという事がステップ1になります。ステップ2はその理念を患者さんと共有していくという事です。当院がどのような方針で診療を行っているかを知ってもらうのです。
私たちの理念の実践型全人的医療は患者教育に重点を置いてます。その取り組みをブログ、SNS、待合や、スタッフからの直接の声掛けで、患者さんにも積極的に案内する事で、「仁愛堂さんにかかっていれば病気のことを教えてくれる」「健康にはこういう検査も必要だということがわったよ」という声も頂戴し、理念に共感していただける患者さんを集めることにもつながります。この理念こそが他のクリニックと差別化し、患者さんにとっての大きな付加価値となります。そして患者さん本人だけでなく、その家族にも伝わるようにする事で、より理念を広い範囲で広げていく事が出来るのです。これが「私と家族のかかりつけ医」プロジェクトへと繋がっていき、病気とは全く無縁だった人の健康意識を変えていくきっかけとなるのです。
理念経営STEP3ー医療機関への理念浸透ー
ステップ3が同じ理念を共有する医療機関と連携をするという事です。今回のフランチャイズ事業は、このステップ3事業の一環となります。この理念を加速度的に全国へ広げていく事で、患者さんのみならず医療機関もその理念の恩恵を受ける事が出来ると確信しております。加盟店同士で全人的医療圏を作り診療連携を行う事はもちろん、より良い医療を行うために、お互いに意見を出し合い成長してゆきます。また親しみやすい共通のロゴを使用し、それを見れば「全人的医療を提供しているクリニックである」という認識を患者さんに持ってもらう事で、患者さんやその家族にとって初めてのクリニックでも安心して来院が出来る様にします。共に日本の医療を根本から変えていきましょう!